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その道のプロに聞く
保険業界に少なからず関連している業界のプロに、その業界だからこそ見えてくる貴重な話を伺ってきました。
人生を変えた東洋医学との出会い
- 若いころからこの道を志していたんですね。
- 岸本いまは元気なのであまり信じてもらえないのですが、実は高校生のときにすっかり体調を崩して、「健康ってなんだろう?」って思いました。今だったら鬱と診断されると思いますが、当時は大きな病院に行っても特に病名はつきませんでした。
そのころの私は過食拒食症で、便秘に悩み、顔色が悪く、血圧は下が30、上が50くらいでした。また、動けなくなるくらいの生理痛や肩こりから来る吐き気もあり、生きることに疲れていました。 - それはつらいですね。
- 岸本大学に入って気持ちがのびのびしたら、見違えるほど元気になったのですが、それでも相変わらず生理痛と便秘がひどくて…。母が知り合いに療術の先生を紹介されたというので、試しに行ってみたんです。
その先生は、私の顔を見るなり「横になりなさい」と言い、おもむろにお腹を押し始めました。すると、ものすごく固いものが自分のお腹にあることがわかったんです。少し押してもらっただけでその固いものが崩れてきて血が巡り、身体が温かくなってくるのがわかりました。それが療術との出会いです。
先生は顔を見ただけで、便秘も生理痛も肩こりも見抜いていました。先生の施術は東洋医学がベースになっていると聞いて、先生主催の勉強会に参加したんです。そのころは大学生で、一番若い弟子でしたね。 - 顔を見ただけで症状がわかるってすごいですね。
- 岸本東洋医学では、表情や顔色、声の調子、姿かたちなどが、肺や腸、心臓など臓器の状態の判断材料になりますからね。先生からは「陰陽五行説」(※)に基づいた気血水の流れや、マッサージの方法を学びました。教科書はなく、ツボも押し方も実践を積み重ねて指で覚えるしかありませんでした。
※自然の成り立ち、季節の移り変わり、内臓の機能など、さまざまな事柄を自然界の基本物質である「木」「火」「土」「金」「水」に当てはめる考え方。本来は、それぞれが協調関係を維持し、微妙なバランスを保っているが、バランスが崩れてしまうと何らかのトラブルが現れると言われている。 - この仕事をしていて良かったと感じることは?
- 岸本世界中で友達が作れるということでしょうか(笑)。言葉が通じなくても、マッサージは身体に触れるので、いろいろな人とすぐに近くなれます。
また、阪神・淡路大震災が起きたときにボランティアで神戸に行ったのですが、そこで約1,000人に施術を行いました。そのころはまだ療術の免許を取りたてでしたから、私にとってとてつもない学びの場でした。つらい状況の人を少しでも楽にするお手伝いができたことがうれしかったですね。 - いい経験をしましたね。
- 岸本自分もそうでしたが、健康に関わる仕事をしている人は、病気や事故で普通の生活が送るのが難しい状況になったことがある人がかなりいらっしゃいます。自分が救われた経験から、ほかの人を助けたいと思うようになったという話をよく聞きます。私のマッサージで、そんな風に思ってくれる人がいたら幸せですね。