保険や生活に関するヒントが満載!
その道のプロに聞く
保険業界に少なからず関連している業界のプロに、その業界だからこそ見えてくる貴重な話を伺ってきました。
2. 有効な治療法が保険診療にならない理由
- 統合医療を受けるには、どれくらいの予算が必要になるのでしょうか?
- 寺田BAK療法は1回25万円くらいかかります。2週間に1回が基本となりますが、一般の方は民間の保険などをうまく利用しなときびしいかもしれませんね。高濃度ビタミンC点滴の相場は、1回50gで15,000円~20,000円くらいになります。
- BAK療法は、どのような医療機関で受けることができますか?
- 寺田当院を含め、仙台にある「きぼうの杜クリニック」と提携している、全国100ヵ所以上の医療機関でBAK療法を受けることができます。ただし、BAK療法は保険が利かず料金は高いので、誰でも気軽に受けられるというものではありません。
- BAK療法は、いずれ保険が利くようになると思いますか?
- 寺田保険診療にするには「PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)」の認可が必要になるのですが、条件がきびしく難しいでしょうね。
- 認可が下りる条件というのは、治療方法や効果などになる?
- 寺田実は、審査には資金と時間が必要ですので、中小企業だときびしいんです。審査相談料だけで総額1億円近くかかり、市場で売れるようになるまで10年はかかりますから。
- ほかに、がんに関する治療はどのようなものが受けられますか?
- 寺田「CTC(血中循環がん細胞)測定」も行っています。これは、血液中に循環しているがん細胞をカウントし、がんの進行具合などを判断することができるというものです。また、がん遺伝子の活動性を調べることで、抗がん剤やサプリメント、「温熱療法」(温熱を利用した治療法で、がん細胞は正常細胞と比べて熱に弱いという性質があるため、がんの治療法に有効と言われている)など、有効な治療方法を探ることが可能です。こういった検査が、保険でカバーできるようになればいいと思いますね。
- がん患者以外に統合医療を受けている方は?
- 寺田パーキンソン病患者の方が、「グルタチオン点滴」を受けにいらっしゃってます。グルタチオンはじんましんなどに効く薬で保険が使えるのですが、「大量療法」(治療に有効とされる成分を、点滴により大量に投与する治療法)に関しては保険が適用されないんです。グルタチオンの大量療法を保険診療にするのは、やはり治験やお金の問題で難しいでしょうね。
- がんに関して、日常生活で気をつけたほうがいいことはありますか?
- 寺田食事の油には気をつけたほうがいいと思います。油には、ラーメンや肉など、皆さんが好きな食べ物に多く含まれている「オメガ6脂肪酸」や、魚などに含まれている「オメガ3脂肪酸」といった成分があります。オメガ6ばかり摂取していると、体内に炎症が起こりやすくなってしまいますが、オメガ3を摂ってもらうことで、オメガ6をブロックし、免疫力がアップするんです。オメガ3は細胞膜の成分にもなりますので、かなり重要な成分と言えるでしょうね。
- 肉は控えめにしたほうがいいですね。
- 寺田脂分の多い肉は避けたほうがいいでしょうね。肉には、たばこのように趣向性がありますので、つい食べ過ぎてしまうんですよ。日本人が肉を食べるようになったのは明治以降ですが、そのころから急に胃がんや大腸がんの患者が増えてきたようです。がんの発症は、食事が大きく関係してくると言えるでしょうね。